三国志 (8)
吉川 英治
講談社 刊
発売日 1989-05
終わり方がすばらしい 2007-02-03
吉川英治の三国志シリーズの最終巻。
すでに、三国志(1)に登場していた英雄達は去り、それらの遺産を引き継いだ者たちの戦いが描かれている。先帝の遺志によってつきうごかされる天才・孔明と、孔明の才能をフォロー仕切れない無力な者達とのもどかしさが一番印象に残った。
それほど興味を持たずに読み始めた三国志なのに、すっかり夢中になってしまった。三国志に中毒になるのもよくわかる。
蜀の終焉 2006-11-28
長きにわたる三国志。劉備玄徳から始まり、諸葛孔明にまで受け継がれた物語も終焉を迎える。一巻から蜀中心だったが、蜀の終焉と共に話が終わる。この巻では、孔明の天才軍師ぶりが相変わらず発揮されている。また彼の苦悩も。いろいろ考えさせられるシリーズ。
三国志本の定番 2005-05-02
いまさら私なんかが言うまでもなく、近代日本における三国志本の
嚆矢にして金字塔です。「近代日本の三国志」史はこの本に始まる
といってよいのではないでしょうか。
「小説としての完成度」という点でいえば、この本を凌駕するものは
いまだ無いと言い切れます。かろうじて「亜匹」するのは北方三国志
ぐらいではないかと。
無論この本にも欠点があります。
・歴史的視野/観点の浅さ、狭さ
基本的にそれまでの演義の構図を忠実に踏襲し、それを破壊する
といったことはしておりません。解釈の深さや視野という点では
かなり下のレベルであるといえましょう。
・荒唐無稽さ、破天荒さの無さ
その気になればこの話は、とてつもなく荒唐無稽で破天荒な路線
でつっぱしることも可能でした。
しかし、近代人である吉川さんにとって、例えば赤壁で風の向き
をかえるというのは説得的ではなく、ある時期だけ風向きがかわ
るというようにしたのでしょう。演義の内容を近代的知性で許容
できる範囲に収めたためとしたため、荒唐無稽で破天荒な物語に
はなりませんでした。
ただ、あとがきではっきりと曹操が(前半の)主役であると言い
切ってるところなどは、さすがと思わせますね。
警鐘と寂寥感! 2005-01-08
この吉川『三国志』は昭和14年から18年まで新聞に連載されました。それは日本が日中戦争から太平洋戦争へと戦争という泥沼に足を踏み入れていく頃と合致します。
そして、吉川『三国志』の中では「万物流転」、「盛者必衰」、「宇宙の真理」、「自然の摂理」、「民が国を創る」、「天命」ということ等も語られています。それは陰ながら当時の大日本帝国へ警鐘を鳴らしていたのではないでしょうか。
上記のようなことも頭に入れてこの吉川『三国志』を読むと、行間で吉川英治氏なりに大日本帝国への警鐘を鳴らしていると思われる箇所が結構あることに気付かされると思います。
超長編ともいえる全○巻にわたる大作を読み終わりそうになった時、ふとその本との別れが惜しくなり、読み終わった後には達成感や充実感と共に、寂寥感を感じたことがありませんか?
達成感も充実感も寂寥感もその超長編がおもしろければおもしろい程強くなります。
この吉川『三国志』ではその達成感も充実感も寂寥感も物凄いものがありました。
読破後の寂寥感があることは否めませんが、それでもこの“不朽の名作”を私は強烈にお勧めします。
是非、吉川『三国志』を手に取って読んでみてください。
もし、吉川『三国志』の第一巻~第八巻全ての私のレビューに目を通してくださった方がいらっしゃいましたら、本当に嬉しい限りです。
どうもありがとうございました。
ソレデハ…
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