中世ヨーロッパの城の生活
ジョゼフ ギース /フランシス ギース
講談社 刊
発売日 2005-06
「城」の盛衰 2007-05-09
中世の城の成立と衰退の間に、中世の城の生活を挟み込んだ構成になっています。
封建制度、城の中の間取り、奥方の役割、家令、毎日の暮らしぶり、狩猟生活、ムラの仕組み、騎士、年間行事と書かれている内容は、盛りだくさんで、中世の生活ぶりが良く解ります。
間に挟みこまれている、小話のような挿話が、又楽しいものになっています。
それにしても、ノルマン人の征服から映画で見るような「城」が出来上がったとは、全く知りませんでした。
衰退の要因も、火薬などの武器の変化だけでなく、中央集権化してゆく中で、その役割が終焉を迎えたということも、言われて見れば、なるほどと納得でした。
なかなかの良書。 2006-06-26
歴史に合わせて改築進化していったイギリスのチェプストー城をメインに、中世ヨーロッパの城がどの様に発展して衰退していったのかが解りやすく解説されています。
巻頭には城の大まかな見取り図もあるので、文字だけだと解り辛かっただろう部分もしっかりカバー。(よくをいえば居住区の詳細な見取り図も欲しかったところですが)
そして領主級貴族からその奥方、騎士、召使、領民の生活やしきたり等がなかなか詳らかに書いてあり、これを読めばなんとなく雰囲気で読んでいた向こうの時代小説も、理解を深くして楽しめる様になるかも。
ただ載ってる写真は多いですが、文庫本という事で小さくて白黒。
画質も明暗コントラストも悪く、絵的な資料にはまずならないです。
非常に読みやすい 2005-11-28
ヨーロッパの城についての写真集はよくみかけるが、城の生活がどうであったかをまとめた本はなかなか見あたらない。本書は内容的には極めて真面目などちらかというと学術的な書ではあるが、RPGゲームに親しんだ者にとっては、ゲームの舞台でしかない城について、実際の構造、生活、社会との関わりなどなどのディテールを知ることができ、とても興味深く読むことができた。
なにより翻訳が非常にこなれていて、読みやすい。専門用語も数多いのだが、適切なルビの振り方もあって、自然と対訳語も覚えてしまうという利点もある。翻訳者の仕事に敬意を表したい。
城は長い歴史を持つ 2005-10-13
ウェールズのチェプストー城の研究をふまえて、城の変遷と生活を紹介する。チェプストー城は11世紀から17世紀まで利用されており、その間の事情は複雑だからひとくちに城の生活を語るわけにはいかない。もちろん、それほどロマンチックなものでないのは読む前から予想していた。時代とともに城も変遷していくというのは、私はこの本ではじめて意識した。学術色の強い内容だから、興味を持たないと読み通すのは辛いと思うが、ヨーロッパの歴史と文化について独自の内容を含む。
「今なお滞在。今日は難儀な一日」 2005-07-22
城主のお客が連泊して出費がかさむとぼやく使用人や、堅牢な城塞の弱点としてトイレから攻め込まれたりと、面白い逸話も多く、豊富なモノクロの写真もあって読みやすく、興味深い内容で良かったと思います。築城技術の変遷、居住空間と要塞兼ねた二面性、城主と家臣、貴婦人など、城に住む人と、裏で城の生活を支える使用人や庶民の暮らしぶりや喜怒哀楽が、書簡や家計簿などの史料を通じてよく分かり、当時の様子が生き生きとして伝わってくるようでした。特にイギリスのウェールズにあるチェプストー城を中心に解説しているので、この城を巡る歴代の城主たちの巧妙な駆け引きや栄枯盛衰の歴史を、映画を見ているような感覚で楽しめるのも良かったと思います。また、城だけでなく、騎士道精神や英国の中世史に興味のある人にもお勧めします。
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