日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く
佐藤 優
小学館 刊
発売日 2006-04-22
もう一度、歴史を勉強しようと思う。 2007-04-30
A級戦犯の定義を知らなかったバカオヤジには色々と勉強になる本である。(A,B,Cは罪の重さだと思っていた。。。。)
東条の頭を叩いたのが、この大川周明だというのもおそらく授業等で習ってはいただろうが、まったく忘却の彼方であった。そしていかに大川と言う人が理論的思想人であるかも分かった。
佐藤さんの外交に対する想いを今後の日米関係をどのようにしていかねばならないか?
性善説にたった日本の外交では、性悪説に立つ欧米外交にはかなわないと指摘する。
国民は軍閥に騙されて戦争に突入したという認識は、戦後、アメリカの情報操作工作によって作られた神話で、1941年当時、日本は対米戦争に踏み込まざるを得なかった大義名分があり、日本政府は説明責任を果たしていたことを明らかにする。 p6
大川周明 2007-03-07
大川の大東和共和圏の構想は北一輝の考えにも共通する、ユダヤ資本がアメリカという国家の
衣服をまとい、東洋を侵略するという構想は、現在の時代を予感しているようだ。
そのためには独自の社会主義理念をもった日本海を地中海にたとえた共和圏を日本が中心となって構築して、世界に向けて行動する必要がある、こうした理念が戦前にはあった。
現在はグローバルスタンダード化された地球の中で、資本の理論が急速な地域格差や経済格差を生じている、この流れは一国に留まらず、アジアやインドへの拡散となって地球規模の格差拡大の要因ともなっている。
格差を国家統制によって抑制しても、経済のグローバル化までは止めれない、また世界競争から脱落する、アジアを含めた伝統的国家は今後何を模索すべきかの思考のヒントを与えてくれる。
大川周明著、解説:佐藤優に徹すれば良いのだが・・・ 2007-02-04
以前より読みたかった大川周明幻のラジオ講演録『米英東亜侵略史』があのラスプーチン佐藤優の解説付きで復刊されたと知り、ワクワクしながら読んだ。原著は古書マーケットでも高価で、大阪市立図書館では貴重図書として禁帯出扱いである。
大川周明の文章はあの時代にすれば読みやすいほうで、タイトルの割りには意外な程穏健な内容で、こちらが想像していた戦時プロパガンダというイメージではなく、NHK市民大学講座のような感じであった。ただ脚注の付け方が悪い。本文中に注)の表記がない為、どの語句に注があるのか分りにくく、脚注の量が多い頁は、次の頁にまわされていることもあるので非常に読みにくかった。
佐藤優の文章は解説というには余りに自論を展開しすぎで特に「第四部 21世紀日本への遺産」は独立した著作として刊行すべきだったのではないだろうか。他の色々な著作家(ソロヴィヨフ、廣松渉、蓑田胸喜など)を紹介し過ぎるあまり、主役の大川周明の印象が薄れてしまった感がある。
尚、遺族より提供されたというカバーの写真は初見のもので、デザイン的にも秀逸だと思う。
現代に蘇る大川周明 2006-12-31
大川周明は 東京裁判で東条の頭を叩いたことで有名だが そのイメージ、つまり 一種の狂人であったという印象が 現代の僕らにも災いしている。かような「狂人」が書いた本を読もうとは中々思えないからだ。
そんな僕らに対して 佐藤優が 現代に大川を蘇らせたのが本書である。
佐藤優は 現代の論客でも飛びぬけた存在だと思う。神学を学んで外務省に入り ロシア(という 日本人にはいささか不透明な国)で 情報活動に従事し 挙句の果てに獄中で 500日になんなんとする日々を過ごす。その獄中では 宗教、哲学書を読破する日々を送る一方
検察とは対決しつつ かつ 検察側を 惹きつけてしまう。
近年の日本に かような過激で凄みのある経歴を持った人は ほとんど居ない。そんな一種の「カリスマ」の 最大の武器は 平易に物事を語る事が出来る点にある。
本書にしても 大川周明を読み解くに際しても 大川に関して殆ど知識と知見が無い人でも十分読めるように工夫してある。
特に 現代の外交状況と 第二次世界大戦前夜の日本をシンクロさせていく手法は見事である。「歴史から学ぶ」という いささか陳腐な言葉があるが 本書は正しく それである。佐藤優は 物事を語るにおいて 意外性の高い題材を持ち出してくるわけが 今回の大川周明に関しても その手際の良さには感嘆する。そうして 読み易い。これは紛れも無い才能であるとしか思えない。
それにしても佐藤優を通して読んだ大川の言説は 本当に現在にシンクロする。それに一番驚いた。もう少し 大川の本を読みたいと強く感じた。彼は狂人などでは全く無い。あの時代の「知性」だったのだ。
東条英機の頭をぽんと叩いた人 2006-11-17
高校で歴史の授業が未履修と話題になったが、私は授業はあったが小中高と全て明治維新までであった。恥ずかしながら大川周明のことも表題レベルの認識しか持ち合わせていなかった。気になる著者が気になるタイトルの本を出したので手にした。大川周明を紹介してくれたのは大変ありがたい。ただ原文の後の著者の解説が重複であった。この本はプロパガンダである。しかし、我々は収奪ではなく、あなたの国を植民地支配から解放することだという基本認識が相手に対して与える痛みを自覚できなくさせた。他国を植民地にし、そこから収奪しているという認識があれば、やりすぎることはない。という旨の著者の一文には同調できる。これは自己対外部の関係全てに言えることであろうが。いずれにせよ自国の歴史は勉強しなくてはと痛感させる一冊でした。
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