スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る
遠山 正道
新潮社 刊
発売日 2006-02-23
俺もがんばらなくっちゃ 2006-06-16
謙虚さや思いやりと、頑なな思いや夢が同居している。
著者はそんな方だと思います。
肩肘張らない軽さやスマートさの中に、なにやら熱いものがある。
そんな語り口で話は進みます。
この本は面白いです。
そして元気になる本です。
さらには、俺もがんばらなくっちゃ、と思わせる本です。
それに・・・、
むしょーにスープが飲みたくなるはずです。
飲みに行きました。
東京ボルシチを飲みました。
マジでうまかったです。
失敗談もスマートに 2006-05-07
この著者の行動力はすごい。三菱商事に勤め、情報系の部署で働いていたがが、自分はもっと消費者に近いところが向いていると一念発起すると、自分で手をあげ、人脈を利用してケンタッキー・フライド・チキンに出向する。そこでスープ店を開業しようと、詳しい青写真を書き、社内を説得して、出店にこぎつける。それが成功し、商事に戻ったあともスープ店のチェーン店展開の夢をあきらめず、ここでも商事内で上司を説得して、社内ベンチャーの一号として、自分自身も出資して、会社を立ち上げる。おいしいスープを味わえる店を展開したいという自分の夢・哲学を、実現にもっていく構想力、根回し、実行力には学ぶところが多い。猛暑でスープが売れなくなったりといった失敗談も書かれているが、全体に、ゆったりとスマートに書かれているのは、著者の性格だろうか。
快挙の秘密 2006-04-02
スープストックは好きな店舗で、たまたま行ったときに目にした本だ。呼ばれるように早速買って読んで、うんうんうん、そうそうそう、とほとんど首振り人形状態で一気に読んでしまった。
現在会長となった遠山正道さんは、実に普通でシンプルなことを、実に前向きに、実にまじめに形にして、運営して、成功した。
こう書くと簡単なことに思えるけれど、ちゃんとそれがやれている事業は多くはない、と思う。
日本のサービス業、特に外食産業で、決定的に忘れられている何かを、遠山さんは見事にピンポイントした。
商社という世界で、まったく違う目線から飲食業界を捉えることができた、ともいえるけれど、やはり彼のセンスの勝利だと思う。
参りました。
そうだったんですか。
というわけで、前から好きだったこのチェーンの秘密を知って、余計ファンになった次第。
飲食業界の関係者でなくても、読んで損はない一冊だ。
文章も軽快で楽しい。
あ〜、なんだかクラムチャウダーが食べたくなってきたなあ。
スープとネクタイが義理の兄弟であったとは 2006-03-25
三菱商事というと 組織で動く比較的固い会社であると商社業界では言われていると思う。そんな中で本書を読んで 少々驚いた。相当の懐の深い会社ではないか。こんな著者を組織に抱え込める会社はそんなにないものである。
話は非常に面白い。食べ物に関しては どんな素人でも意見を言えるものである。また 商品が分るので 読んでいても違和感がない。
一番感心したのは 著者はたまたま食べ物をやっているだけである点である。彼にとっての同業他社はネクタイであったりするという発想の柔軟性と過激性は 十分傾聴に値する。要は 食べ物を選ぶことと ネクタイを選ぶことは基本的には同じ地平線で考えるべきだと言っているわけだ。これには 目からウロコが落ちた。
読んでいて元気が出ます。
新しいタイプの起業家Story 2006-03-19
商社マンから社内ベンチャー制度で起業−ありがちな、広報・宣伝本かと読み始めたが、その内容は、経営・マネジメントの視点からも非常に示唆に富んだもの。アーティストでもある著者が、独自の発想・センスで書いた事業企画書など、会社というものが具体的な夢や成功イメージを共有することがどれほど大事かを改めて教えてくれる。事業の中でぶつかる多くの困難を、素直で、素朴な言葉を使って表現している点が他の起業家本と異なり、なおさら臨場感と共感を感じる。社内での価値観共有などもアーティストの視点から出てきたものだが、「ビジョンの共有が大事」と言いながらよそゆきの言葉で魂がこもっていない企業が多い中、彼のものは非常に自然で受け入れられる。アーティスト的な感覚をもった新しいタイプの起業家として、ますます注目していきたい。
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