行動経済学 経済は「感情」で動いている
友野 典男
光文社 刊
発売日 2006-05-17
経済学のパラダイムシフトなるか? 2007-05-20
行動経済学は、これまでの合理的人間像にたいして懐疑的で、どちらかといえば人間心理にシフトしている。
これまでの経済学の限界を突破する期待ができる理論である。
70年代のラディカル経済学運動では、対案となる理論を構築できなかったため失敗した。
しかし、この行動経済学はその対案になりうる。
もう一つ私が注目しているのは限界合理性を示した複雑系経済学だが、この2つが後に経済学の主流となるのだろうか。
新書にするなら、もう少しこなれた解説にしてください 2007-05-16
難解。まだ新しい(とはいえ30年は経っているそうだが)学問で、近年ノーベル賞受賞者も出すなど、これからの政治経済界に貢献することが期待される行動経済学は、標準的な経済理論に比べて、人の心の働きに重きを置いているという。そんな新理論を多くの人に親しんでもらおうという企画なのかもしれないが、一般ビジネスピープルが読んで、「あぁ、なるほど」とすっきり腹に落ちる内容かと言うと、残念ながらそんなに甘くは無い。新書版にするなら、もう少しやさしく解説して欲しかった。
ただ、随所に盛り込まれているさまざまな経済実験事例や、心理学的理論は、頭の体操と言っては著者に失礼かもしれないが、消費者心理に多かれ少なかれ依存する大衆経済の世界で働く多くのサラリーマンにとっては、大いに参考になるだろう。
お金というモンスターを発明してしまっておいて、自らの経済活動を後付けで解説せざるを得ない、自分勝手な人類の永遠のテーマである経済学が、この行動経済学によってブレークスルーする日は、いつか来るということだろう、などともっともらしい書評をしても、結局はよくわからんことを白状しておく。
人間の直観と経済学的確立、理論とのズレ 2007-05-04
まず率直に感想を述べるとこの本の内容は役立ちます。
経済行動学という言葉の意味を知らない方は尚更です。
人間の考える直観と経済学的数学確立は驚くほどズレがあることを
具体例をこれでもかと出してきて解説しています。
うんざりしたら少し飛ばし読みしても差し支えないと思います。
但し、様々な経済用語が出てきますので、しらないキーワードが
出てきたらその事例くらいは読むことにすれば、飛ばし読みで構いません。
いろんな事例が出てきて、この本に出てきた事例はかなり有名らしく、
他の行動経済学の本、経済雑誌の行動経済学特集でもその例を
挙げていました。その点は☆5つあげてもいいと思います。
経済は不条理な人間の営みである 2007-05-02
知的に面白いです。
内容的にはミクロ経済学と心理学を合わせた本と言えるでしょう。
特に「人間は不合理である」とする証明の仕方がムチャクチャ面白い。
一見簡単に見えるクイズなのに、どうしても間違えてしまう・・・古典派経済学が依拠する合理的人間=経済人というコンセプトにいかに無理があるかを証明するパートが非常に面白いです。
経済は、生きた現実の人間の営みである、という当たり前の事実 2007-03-01
一読、「経済」というより、「心理学」「行動学」の本という印象である。
経済学が前提とする、「完全に合理的で利己的な人間」――そんなものは実在しない。実在しない人間像を基準に、まさに人間の営みである経済を論じても仕方ない。では現実の人間は経済行為にあたって、どんな風に判断し行動するのか?それを認知心理学や人間行動学の研究を元の解き明かそうというのが『行動経済学』であるらしい。
「損失は、同額の利得よりも強く評価される」
「人は現在の状況からの移動(変化)を回避する傾向にある」
…など、本書に取上げられた“(経済学が想定する意味では)合理的でない”判断や行動の多くは、生活実感からすれば「当たり前」「常識的」な判断・行動である。
しかし、それを科学的な知見とするためには大変な労力が必要なのだなぁ…というのが読んでの率直な感想である。逆に言うと、人間の心の動きや、それに伴う行動についての科学的理解は、未だなかなか進んでいないということなのだろう。
そして、この“人間”と言うやっかいな生物の営みである“経済”の科学的理解もまた、未だ遠い道のりだと言う事がよくわかった。
非常に興味深い内容で勉強になりましたが、いかにも学者さんの文章といった印象で、読みやすいとはいえないので、その分、1つ減点した。しかし、新しい分野について語りおこすのは、どんな内容でも簡単なことではないのでしょうね。
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