ロボット
カレル・チャペック /Karel Capek
岩波書店 刊
発売日 2003-03-14
「山椒魚戦争」と合わせて読むとよりチャペックが好きになる。 2007-04-10
ロボットという言葉は、このシナリオからだそうです。なんか切ない気持ちになりました。時代背景も少し勉強しました。
すべてのロボットモノの原点 2007-03-10
ブレードランナー、攻殻機動隊、その他すべての原点であり、ロボットという単語の最初です。
そして資本主義、共産主義の書でもあります。
5★20世紀生まれはノストラにびびる前にこの本を読むべきだった 2006-04-26
マジで震えた。恐怖した。感動した。手塚治虫やアシモフの感動が霞むほどだった。いや治虫が天才だという事に異論は無い。紙芝居だったマンガを映画に近づけたのは彼の功績だ。アシモフ三原則の先見性を否定できる者も未だいない。でも、このチャペックは別格。なんせ石炭くさい19世紀生まれなのに、「ロボット(労働」を造語したこの想像力には脱帽だ。いや脱毛もんだよ、コレは。だってアシモフが生まれた1920年に、この作品を発表してるんだから。ラングの「メトロポリス」1926(サイレント映画)やチャップリン「モダンタイムズ」1938も二番煎じだ。
労働は人間の本質なんだなと、再認識した。そりゃ誰だって金持になって好きな夢みてたいよ。けど労働から逃げる=人生からの逃避にみえた。やはり汗かくからビールが旨いんだ。金持が客観能力を失って変人化するのは、よくある例だ。有名シンガーだったり独裁者、古代の皇后とか。
労働解放?ユートピアだな。人間はそれを追い続ける存在だろ?その目標を失ったらもう人間じゃない。ただのナマケモノ抜け殻だ。「ロボットが何もかもやってくれるのです。主人は起き上がる必要も無く、食事もまっすぐ口に押し込んでくれる。」って老人介護かよ?と思った。朝の着替えもロボットに「こっちへ来てボタンをかけて!」幼児か?と。コイツら、もう人間やめてるな、と思った。動けるのに動かないのと、動けないのとは、意味が全く違う。ユートピアの原義は存在しない地だ。死んでから逝くべき地だろ。生きてるって事は、つまり新陳代謝してるって事だ。同じ目標を共有できるからこそ、人間は愛情を生み出せたんだろ?
PS●哲学が必要だ。科学の進歩に哲学が遅れをとってるから。チェルノブイリが悲劇になる。←今日でちょうど20周年だが。水俣やアスベストはもうウンザリだ。18世紀生まれは言った「生きるとは、呼吸することでは無い、行為することだ」ルソー
『いつか私の時代が来る。』 2006-04-15
チェコからは、時に前衛的な人が現れる。古くはヤン・フスであり、19世紀以降で見ても、アルフォンス・ミュシャやフランツ・カフカ等数多い。先の大統領ヴァーツラフ・ハヴェルも劇作家出身なので、前衛とは言えぬまでも、異色である。このような文化的系譜の中に、本作を記したカレル・チャペク(1890-1938)も属している。
チャペクは、カレル大学哲学科を卒業後、ジャーナリストとなり、文筆活動(戯曲、随筆、SF、児童文学等)に入った。本作は戯曲、それも「逆ユートピア的戯曲」であると思う。「逆ユートピア」と聞くと、ジョージ・オーウェル「1984年」を思い起こす方もいるだろうが、本作は、あれほど重苦しい空気に満たされてはいない。
設定に触れる最短ルートは、――以後ポピュラーになった――「ロボット」という語の語源について、述べるのが良いと思われる。『チェコ語には「賦役」を意味するrobota(ロボタ)』(p206)という語があった。これを作者が改変し、「ロボット」となった訳である。だから、「賦役」そして「労働」についての話が繰り広げられていることが察せられる。そして、その担い手こそが本題である。筋については、文学作品なので、小生言及を控えておきます。
本作は、200ページ弱という分量と15名の登場人物で仕立てられている。膨大な量と、多数の設定人物で組まれてはいないので、戯曲に縁遠い方でも、余り負担とならないのではないだろうか。和訳もとても良く、そしてあとがきも良い。
本作の持つ意義の広がりは、手にする方それぞれによって大きく、また多面的に広がると思う。小生は冒頭に掲げた寸評の言葉を思い出した。奇しくも、ボヘミア出身の作曲家グスタフ・マーラー(1860-1911)が言ったとされる言葉である。
大いに推薦
おもしろくて、そして怖い 2005-02-28
これはおもしろい!戯曲を読んだことのない人も読み慣れた人もきっと満足する一冊。手塚治虫の「火の鳥」で命の再生を試み、体を失った後も地球の命の萌芽を見守る、という話があったが、私はそれを思い出していた。
命ってなんだろう。労働機械として生み出されたロボットが人間を地上から殲滅させて得た楽園は実は命の再生産のない「死」を待つだけの世界としって、ロボットたちが命の生産の秘密を得ようとやっきになるシーンがある。人間たちが犯した間違いを、ロボットたちも繰り返すのだ。なんという皮肉。ぞくぞくする怖さだ。そして、命の再生産は結局人為を越えたもので、その向こうにしか本当の希望はないのだろう。それにしても85年も前に書かれたとは思えないほど、古さを感じない。最新の演出の舞台で是非、観てみたいなぁ。
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