プルートウ―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (4)
浦沢 直樹 /手塚 治虫 /手塚 真
小学館 刊
発売日 2006-12-26
ジェネレーションギャップ 2007-03-06
初めに言っておくと私はアトムを見ていた世代でもなく、手塚治先生の作品で読んだことがあるのはブラックジャックくらいです
ブラックジャックは面白かったけどやっぱり年代を感じずにはいられませんでした
ではこのPLUTOはどうかというと、全然それを感じさせないのだ
手塚先生の世代を越えたメッセージを浦沢直樹先生という奇才が自分の持ち味を活かしつつキチンと一つの完成品としてリメイクされている
とても面白く良くできた作品だと思います
サイバラがウラサワの超自我になった? 2007-03-02
『営業ものがたり』で浦沢をコケにしまくっている西原が、本巻の「あとがき」を「描」いています。この人選が浦沢の希望なのか編集者の提案なのか知りませんが、とにかく笑わせてもらいました。
で、改めて各巻に「あとがき」があることを意識したのですが、しかしちょっと待て…「あとがき」って普通は著者が書くものじゃない? …とすると、浦沢=西原ってことになりません? これはアレです、「反省する私」と「反省される私」の二重性を孕んだ自己意識の構造じゃないですか? 当然、西原が「反省する私」です。自我は他者を媒介にして形成されるワケで、まさにその通りの構造を、各巻は反映している様子です。
前巻までの「あとがき」執筆者は、ま、いずれも浦沢を褒めてます。作品自体を一個の意識的存在に擬すなら、第3巻まではまだナルシシズムの水準にあります。本巻で初めて、自我の中に強烈な否定(自己相対化)が導入されたのです。ロボットが「悪」を為し得るか否かという主題を通じて機械と人間の境界を問う本作品にふさわしい、覚醒の巻なのです。
ただ、浦沢の資質がこの問いに適しているかどうかには、疑問もあります。登場するロボットが、まるっきり人間ソノモノか旧式のガチャピン型かの両極に分かれるのは、西原も指摘している通り、浦沢にロボットを描くセンスが欠けているからでしょう。「ほとんど人間」というギリギリのロボットが描けない。しかしロボット・フォビアが蔓延する社会で、「まるっきり人間」型ロボットがここまで大量に野放しになっているという設定には、かなり無理があると思うのです。
いよいよ浦沢節に調子が出て面白くなってきた第4巻ですが、はたして超自我・西原の掌から飛び出せるかどうか、固唾を呑んで見守りたいと思います。
マンガは既に古典としての地位を得た…それを証明した作品 2007-02-25
原作を知っているので、物語の展開はわかっているはずなのに、これほどドキドキ・ワクワクしながら読めるとは…
考えてみれば、誰もがその物語を知ってるような“古典文学の名作”が、マンガ、映画、アニメの原作になる例は山ほどある。この作品の成功が示したのは、「マンガの名作は、既に(新たな物語の“原作”になる資格を持つ)“古典”なのだ」ということだろう。
無論それも、浦沢直樹の非凡な才能があればこそ、ではあるのですが。
オリジナルに近いドキドキ感。 2007-02-18
プルートゥ第一巻を手に取った限りは、続巻を待ち詫びることになると思います。リメイクですから大筋はわかっているのですが、絵の印象がガラッと変わりましたし、アトムが描かれた時代と21世紀の条件的な修正が加えられていますのでオリジナルに近いドキドキ感があります。第4巻は、ゲジヒトのエピソードに多く割かれています。早く続きが見たいですね。
解説は蛇足でした 2007-02-17
「浦沢・アトム」こと「PLUTO」第4巻です。
世界的ヒーローロボットを破壊しつづける組織が、
ぼんやりと見えてきました。
関係あるのか無いのか、アトム生みの親・テンマ博士も……。
同時に本作品のテーマも、はっきり見えてきました。
「悩むことで人工知能は人間に近づくのか」
「人工知能と人間のボーダーラインはどこなのか」
……
手塚治虫で育った、浦沢直樹が21世紀に問うエクスキューズです。
これは、モラルを失いつつある現代人への警告でもあります。
今回の解説は西原恵理子さん。
はっきり言って蛇足です。
本編を読んだ後の感動がそがれました。
毒舌にもTPOをわきまえて欲しい。
なので☆1個減点。
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