ビタミンF
重松 清
新潮社 刊
発売日 2003-06
切ないなあ 2007-06-02
エイジ、ナイフは読んでいましたが、本作は書棚に眠っていました。2001年直木賞受賞作でした。読後感は切ないなでした。Fで始まるテーマの全7編、すべて秀作ですが、個人的には、セッちゃん、なぎさホテルにて、が楽しめました。現代の家族をテーマにされているだけに、少し苦いビタミンFでした。
家族 2007-05-20
『家族』をテーマにした短編集です。
幸せな家族の暗い部分、暗い家族のちょっと幸せな瞬間などが書かれてます。
個人的に「セッちゃん」は重松作品で1番好きです。
苦しくても前を向いて生きていく 2007-05-05
直木賞受賞作。短編集。ビタミンFの「F」はFamily、Father、Friend、Fight、Fragile、Fortune…のことらしくビタミンFという話はない。
重松清を読むのは「ナイフ」以来で二作目になる。あいかわらず普通の家庭を書くのが上手い。どこにでもいる人達が、「いじめ」や「親父狩り」などの事件に遭遇する。これを中途半端に社会の問題にしてしまわず、どこまでも家族の問題として扱う作者の姿勢が僕は好きだ。
いくらがんばってもいじめがなくなるはずもない。中年になって年老いたものが若返れるわけもない。子供は親の理想には育たない。親も完璧な親ではない。だからこの短編集では胸のすくようなハッピーエンドはない。それでも読後感が爽やかなのは、登場人物がしっかりと自分と向き合って懸命に生きているからだ。
セッちゃん・ゲンコツ 2006-12-19
どこにでもありそうなのに、どこにもないたった一つだけの話が詰まった短編集です。特に、「ゲンコツ」と「セッちゃん」がよかった。「ゲンコツ」の仮面ライダーやウルトラマンの話の挿話には、懐かしい思いがしたし、「セッちゃん」の「身代わり雛」の話は胸に痛かったです。厚めの本ですが、あっと言う間に読んじゃいました。作者と作品とをあんまり結びつけるのはよくないかもしれませんが、本当に重松さんって人柄のよい方なんだろうなあと思いました。
身につまされる 2006-11-30
小学2年生の長男と幼稚園の年長の次男は私が仕事から帰ると「お帰りなさい」といって玄関に迎えに来る。そして一緒に風呂に入ろうとせがむ。私にとってとても幸せな瞬間。こんな時がいつまで続くのかな?と考えることもある。あと5年もすれば長男は中学生で、そろそろ声変わりも始まり親よりも友達中心の生活へと変わっていく。私自身も子供たちとどのような会話を交わすべきかを考えてしまってるんだろうな…って考えてしまう。そんな近い将来訪れるであろう現実が本書に書かれている。余りにも身近な問題すぎて息が詰まりそうになった。でも、やっぱり最後には家族がある。本書の最後の母帰るで「家族とは帰ってくる場所ではない、出て行く場所だ」と言う言葉がある。その通りだと思う。でも出て行くからこそ、そこが帰ってくる場所になる。そしてそこには待っていてくれる家族がいる。やっぱり家族っていいなと思えるいい小説だった。
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