ユースケース実践ガイド―効果的なユースケースの書き方
アリスター コーバーン
翔泳社 刊
発売日 2001-11
本書は、実際の開発プロジェクトにおいてユースケースを書くための実践的な知識やノウハウをまとめたもので、ユースケースの表記法の解説書ではない。表記法をマスターした開発者を対象に、実務でユースケースを書く際に役立つ内容が書かれている。UMLの知識がある技術者や管理者向けに書かれてはいるが、UMLを知らない読者でも、システムの要件分析の実践的ガイドとして活用できるように工夫を凝らしている。
おもな内容は、ユースケースの主要な要素であるアクター、利害関係者、設計スコープ、シナリオなど。アクションステップおよび推奨フォーマットを含むユースケースのスタイルガイド、効率よくユースケースを書くためのヒント、いつどこで使えば良いかコメントをつけたユースケーステンプレート、ユースケースの利点を活かすための方法論などを、詳細に解説している。付録では、UMLにおけるユースケースの説明、用語集と参考文献の一覧を載せている。また、初級者から上級者向けのテーマを用意し、それぞれのテーマについて、概念、例、メモ、練習問題という流れに沿って、独学できるように構成されている。
著者のアリスター・コーバーンは、コンサルタントとして長年ユースケースに携わってきた。本書は、その経験をもとに著者が実践してきた内容を体系的に説明している。実務で効果的にユースケースを書くための参考書としては格好の1冊である。(大塚佳樹)
シナリオの書き方 2006-11-29
題名はユースケースの書き方とありますが
シナリオの書き方について詳細に説明してあります。
ユースケースの図は出てこないので、UMLについては
別の本で当たっておかないと、ハードルが高いかもしれません。
要求分析の品質を高めるための必読書 2006-10-21
システム開発の起点となり、後続の開発フェーズの品質、コスト、納期に多大なる影響を与える要求分析。
その要求分析の品質を高めるスキルを希求する方にはお勧めの本です。
要求分析の重要性が喧伝される割に、具体的にどのようなプロセスを経てどのように表現されたものが品質の高い要求分析結果なのか、満足のいく答えを得られないことも多いですが、この本はその答えを明確に示してくれているように思います。
ユースケースというと人型と楕円からなるUMLのユースケース図のことしか思い浮かばない人もいるかもしれません。
しかし、ヤコブソンがOOSEで提唱し、統一プロセスに引き継がれているユースケースの概念は、アクターとシステムが実現すべき目的との関係を明確にし、システムの振る舞いを記述する手法、すなわち要求を分析する手法として非常に優れたものです。そしてそれはまたユースケース駆動開発として、統一プロセスにおける要求管理の根幹をなす概念でもあります。
この本の著者であるコーバーンは、ユースケースの書き方、使い方につき極めて実践的に分かりやすく説明しており、どのように書かれたユースケースがよいユースケースかを示してくれています。ユースケースについて書かれた本はいくつか読みましたが、ユースケースの書き方を説明している本の中では本書が一番優れいると思います。
ユースケース作成にあたり、その精神を学ぶ 2005-05-06
・「武闘派コンサルタントが送る渾身の一冊」(本の帯)
・「宮本武蔵の『五輪書』に書かれた(中略)ひとつの戦道具にこだわるな。状況次第で同じものでも有利にもなれば不利にもなる」(著者Alistair Cockburnさん 日本語版まえがき)
・海面に浮かび、波間に揺れているのが、”ユーザ目的レベル”ユースケース(内容より)
など、
・・・・・他の方のレビューどおり技術的な内容ももちろん必要かつ十分なのですが、従来の技術書に無い、著書の思い入れを通して、ユースケースを作成する際の考え方、精神を学ぶことできました。
ユースケースを仕事で使う方は必読だと思います。
ユースケース記述を書くならこの本をまず読む 2004-11-22
ユースケース記述を書く必要性がある人は、まずこの本を読むべきでしょう。
ユースケース記述の何たるかがわかると思います。
英語版を読んだわけではないのですが、
幾分、日本語訳に?がつく箇所が何点か見受けられ、ときどき読みにくい文章になっているのが残念です。
ただ、内容が悪いわけではないので、星5つです。
ユースケースを書く技術を教える本の中で考えうる限り最高品質 2003-01-24
ユースケースを書くということ自体は、ビジネスモデリングやシステム設計のあらゆる段階で応用できるということはよく言われているし、説明されればなるほどごもっともと納得できるが、いざ書こうと思うと、一体何を記述すればいいのか分からなくなる。
それはユースケースというのが本質的にはただの散文の集まりにすぎないからであり、根本的にはユースケースの書く側の問題の捉え方・整理の仕方に全てかかっているからじゃないだろうか。
それなのに従来のこの手の本といえば、書き方と簡単な例を示すだけで、具体的に何を根拠にして書くのかということに対して比較的無頓着な傾向があったと思うし、それを読んだ読者は一度は分かった気になるが、再びワープロに向かうと「何を書けばいいのかわからない」となることがあまりにも多かったように思う。
それに対して、この本はユースケースを書くために必要となる「視点」を読者に与えており、ユースケースといえど、所詮は散文の集まりであるのだから使う時と場所、問題把握のための視点と整理という基準をどのように持つかということを丁寧に教えている。
多角的・広範な議論が記されており、変に隔たっているとも思えず、そのため非常に実用的だと思える。
またユースケースというものがシステム設計・開発においてどのような位置を占めるべきなのかについてもきちんと述べているので、木を見て森を見ずということもないだろう。
個人的には、この本を読んで、ユースケースを書くというのは完全に一つの技法をマスターすることなのだとつくづく痛感した。
現在提唱されているシステム開発プロセスは全てユースケースを中心に駆動しており、要件把握・問題の優先順位・複雑さの検討等、ユースケースなしには考えられないし、仮にそのようなプロセスを踏まなかったとしても、従来のシステム開発にも十分すぎるくらい応用可能なのは間違いない。
散文を書くという基本的な技能でありながらそれほどまでに重要な要素になり得る、ユースケースを書くということを学ばないのは完全に損であるし、またお茶を濁したような書き方の例だけ挙げた本など読むだけ時間の無駄と思う。
そんなわけで、ユースケースをこれから学ぼうという人や書き方が分からないという人に、この本は最適な視点と技法を与えてくれる(少なくとも与え得る)一冊だと思う。
#但し、ユースケースの書き方だけに300頁もあるのか辟易する可能性は否定しない(^^;
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