強い調達
アクセンチュア調達戦略グループ
東洋経済新報社 刊
発売日 2007-04-26
経営視点で著わされた購買調達の本 2007-06-02
問題意識の出発点を「調達は、オペレーション(たぶん、『業務』に近い意味合いで使われている)
に過度に依存している」に置き、もっと経営視点で考えるべきとしいる。それを受けて、「現場
オペレーションの本は多いが、経営視点から書かれた調達の本はない」ということを動機として書かれている。
内容は、いかにもコンサルファームのメンバーが執筆したという感じのするもので、実務本ではなく、
経営本といえる。したがって、バイヤーの日常的な問題・課題の解決の糸口よりも、管理的立場の人々に
対する示唆が多い。
書名にある「強い調達」を実現するためには、(1)調達カテゴリマネジメント、(2)要求元マネジメント
(個人的には、この言葉は好きではないが)、(3)サプライヤマネジメント、(4)組織能力マネジメントの
4つの能力が必要であるとしている。 周りの評判では、調達カテゴリマネジメントに対する評価が高いが、
私は、要求元マネジメントの切り口が興味深かった。従来より要求・要件は、購買調達担当者にとっては、
「与件」として与えられるものであったが、ここに積極的関与すべしとしている点は、まったく同感である。
実務中心の本が多かった中で、経営視点で、しかも、コンサル的まとめ方で書き下ろされている点は、
大いに参考になると確信する。購買調達関係者、およびそれに関連する領域の方、とくにそこで管理者で
ある方々に一読をおすすめしたい本である。
密度が濃い 2007-05-31
現場のバイヤー観点で論じられている他の多くの調達ノウハウ本とは視点が異なり、経営者視点で展開されています。それでいて具体的なアクションレベルで記述されているので、読み応えがあります。かのビジョナリーカンパニーの筆者の言葉を借りるとすれば、「時計(強い調達部門を維持できる企業)を作る」ノウハウ本ということができるでしょう。
多くの事例から浮かび上がったベストプラクティスが豊富な切り口で論じられており、かつそれぞれのトピックが簡潔にまとめられているので、密度が濃く、専門的な内容にもかかわらずテンポよく読むことが出来ます。本書の中にちりばめられた熟練コンサルタントたちのコラムも非常にためになります。
あらゆるヒントが満載で、読み進めるたびに触発されて、いい刺激になります。おすすめです。
まず、経営者が読むべき本 2007-05-11
衝撃を受けました。ある方の紹介で半分まで読み進んだころ上司から感想を求められ「役職者(経営者)が読まなければならない本ですね。」と申し上げました。
実際、そういう意図で書いてあると執筆者が結びのメッセージにお書きになっています。
調達改革、取引先集約等々、調達部門が抱えている問題点を鋭くえぐり、調達マネジメントに対するあるべき姿をこれほど端的にコンパクトにまとめあげた偉業に拍手喝采を送りたいと思います。
「その(そんな)やり方では失敗する。あなたはこう進むべきだ。」・・・自らが置かれている状況とオーバーラップするところが多々あり、神の啓示とも言えるようなメッセージを受けました。
バイブルとして手元に置きたい一冊です。
行き詰まったら繰り返し読んでみる。すり切れるまで読み倒したい本です。
カテゴリマネジメントから展開した意義がある提言が含まれています 2007-04-26
ちょうど先日、同じような内容の講演を実施したところで、この本に出会いました。
購買部門の業務工数比率を比較すると、欧米先進企業が付加価値作業7、事務作業3になっているのに対して、日本企業の7:3で逆転しており、日本企業ではより付加価値業務にシフトしていく余地があります。そして、このような付加価値作業にシフトしている欧米先進企業の調達担当役員(CPO)の最大の関心事が、「グローバル調達」でも「SOX法対応」でもなく「カテゴリ(コモディティ、品目群)マネジメント」であるという、2007年の最新の調査アンケート結果が手元にあります。そういう面で「カテゴリマネジメント」から展開された当書は、調達購買領域への提言として、時機を得た、意義がある出版であると思います。
重要な点は、この本にある「調達カテゴリ戦略」を実際のアクションプランまで具体化し、実施するプロセスを、現場の実務担当者の皆様に導入・定着させるのに1つの壁があるということです。日々の業務にお忙しく、またまとめ方等にあまりお慣れになっていない皆様にとって、やはりかなり辛い面があるようです。我々コンサルティングに従事する側も、実際にコンサルタントがお作りして見せたり、何社か展開してきましたが、時には身を削る思いでご支援をしてきております。それでも一気にはなかなか完璧なところまで至らない場合もありますが、時が経つにつれて再度必要性を認識され、導入まで至られた企業もございます。
従って、購入された皆様は、最初の一度きりではなく、必要な都度繰り返し参照し、アクションを打ってみる、そのような重要な視点を投げかけてくれる書籍であると感じつつ、読みました。
IBMビジネスコンサルティング(株)[購買ネットワーク会幹事] 寺島 哲史
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